私がTouring SEROW 250 FinalEdition(以下、セロー)を購入してはや1年半を過ぎ、セローに乗っていたからこそ感じる良い面や、「これはちょっと…ね..」と不満な面も見えてきてきました。
すでに生産終了を迎え、さらに腐るほど語られているこのネタに需要は無い訳ですが、いちセローオーナーとして、少しでもこのバイクについて知ってもらいたいと思います。
セローという乗り物について軽くまとめる

私の乗るセローには先代が存在します。その名はSEROW225(以下、旧セロー)

旧セローが誕生した時代は、レーサーレプリカと呼ばれる見た目も中身もサーキット場を走っているバイクをそのまま公道仕様にしたモデルが流行っていた時期らしく、今以上にスペック史上主義でした。
私もそうだったように、スペックシートからでは伝わらない乗り心地や愉しさは後手に回り、やれ馬力がいくらだ、最高速度がぬわわキロだ、と比較してしまいがちで、その点で言えば新旧共にセローは250ccクラスでは最底辺といって差し支えないと考えてます。
幾度となく排ガス規制をなんとかクリアしたセローも、ABSの義務化にはあらがえず、生産終了となり、発売から35年という歴史の中で一度も販売台数で1位を取ることなくその歴史に幕を閉じました。
このあたりの歴史や経緯は、バイクの系譜というとても素晴らしいサイトに事細かくまとめられていますので是非ともご参考になさってください。
セローはその見た目からわかるように広義ではオフロードバイク、狭義ではトレールバイクというジャンルで、どちらにせよ不人気ジャンルなわけです。

当初、オフロードバイクというと飛んだり跳ねたりエキサイト的なイメージを持っており「無縁だな」と感じていた私ですが、セローは二輪二足を掲げ、とにかく林道や不整地を確実に走破していくことに重点を置かれており、そここそ私が惹かれた部分でもあります。特にシート高の低さがそれを一番体現していると思いますね。
逆に言ってしまえば飛んだり跳ねたり、ガレ場を攻めたりすると恐らくどこか壊れますので、そのような用途には全くといっていいくらい不向きです。

ただ、オフロードバイクということに変わりは無く、純正でBRIDGESTONEのTW301/302という私のような素人には十分すぎるくらいのブロックタイヤが装着されてます。
舗装路ツーリングから林道までこなす有能タイヤですから、大半の方はこれで十分だと思いますが、殆ど舗装路しか走らない方にとっては不満に感じるかと思いますね。
エンジンについても空冷単気筒SOHCエンジンとまさにシンプルの鬼と言ったところでしょうか。

今の時代では軽二輪クラスであっても排ガス規制の関係でほぼ全て水冷(一部油冷)なので、空冷大好きおじさんにはたまらなく、無駄な部品もないことから車体もかなり軽量らしく、普段KLX250のキャブ車に乗っている友人に乗ってもらったところ「軽っ!」と驚いてました。
その他の特徴としては、トランスミッションは5速、タコメーターや燃料計レスのメータと気にされる方は注意が必要かもですね。
若干脱線しましたが、セローというバイクについてあまり感情を入れずつらつら書いてきました。次は「セローの良い面」についてです。
セローにして良かったなぁ、と感じた場面
一番は「どこでも気兼ねなく行ける」ことです。
大多数の四輪車は舗装されてない砂利道や林道もある程度走破できますが、バイクは路面コンディションを非常に選ぶ乗り物で、一部の変態紳士ライダーを除きネイキッドやアメリカンで舗装されてない道は走れません。

その点、セロー(というかオフロードバイク)はどこでも走れ、なおかつ軽量で足つきもいいわけですから、道中たまたま見つけた林道に突っ込んでいけます。
そしてそのうち、舗装路に飽きてきて変な道を通る癖がつくという。

これはキャンツー(キャンプツーリング)する上でも大きなメリットであり、山中にあるキャンプ場は場内が舗装されていないケースが多いわけですが、セローであればそんな事お構いなしにずかずかと侵入出来ます。
その点を踏まえると、キャンプ向きとも言えるかもです。
その次に挙げるとしたら、維持費でしょうか。
オイル量も少なく、燃費もリッター40㌔超、おまけにバイクの特性上ある程度外傷を許容してくれる設計なのでとにかくお金がかからない印象です。

また、車体が軽さからタイヤやブレーキが減るスピードが遅く、新車から履き続けているタイヤで1万㌔以上乗っていらっしゃる方もネットで見ますね。
そして、低速域(~40km/h)でトコトコツーリングするのが楽しいバイクです。

セロー自体、速く走ることは苦手ということもありますが、なんというか「優しい」乗り味なんですよね。
今の時期(4月)は特にゴールデンタイムみたいなもので、季節が替わり気温が高くなってきた事を肌で感じつつ、道脇に咲く桜をみながらツーリングするのが本当に楽しい。

純正マフラーとエンジンの鼓動感もよく、それこそ自然の一部になった気分を味わえます。
車体の軽さから乗り降りが億劫にならないのも、写真を撮ることが好きな私にとっては大きなメリットです。

実はセロー、ハンドルロックは左右どちらでもかけることができるのも、結構魅力的。
最後はセローであること
セローはその歴史から多くのファンが居て、ファイナルモデルということも相まって話しかけられる事も多い気がします(自意識過剰かも)。

「昔乗ってたよ」「大事にしなよ」等、私はただ乗ってるだけなのに基本褒めるわけで、嬉しい反面、その歴史を背負っているのだとなんだか責任感を感じます。
次は気になる点についてです。
セローのここがちょっとね
一番気になるのはやはりパワー不足です。

個人的な話ですが転職に伴い、私は宮城→東京へセローと一緒に越してきました。
宮城にいた頃は田舎道をタラタラ走るのが日課で、年に数回長距離ツーリングをする際に高速に乗るスタイルでした。
セローであっても100km/h+αで走ることは可能で、なんなら120km/h位までなら出ます。が、かなりエンジンに無理をさせている事が音から感じ取れます。
また、速度に比例する形で振動が増え、軽量が故に風の影響を受けたりとかなーりキツイんですよね。
そんな中、東京に越してきてから渋滞を避けるため高速に乗る機会が増え、正直、ストレスになっています。
続いてABSがない。
幸いな事に事故に遭うことなく、バイクライフをエンジョイしていますが、とはいえ危ない場面は幾つもあり、本気で急制動をしたこともあります。
教習所とは違い突然その場面がやってくるわけですから焦る反面、フルロックさせてコケないようにジワジワブレーキをかけてしまい、制動距離が伸びてしまいます。その時「ABSほしいなぁ」と本当に感じます。
以上が気になる点です。
セローに施したカスタム
私は純正が一番かっこよくて、性能が出ると思っているので、基本何も変えません。
とは言えどうしてもタイヤだけはGP-210に交換してもらいました。

オンロードを走る際のノイズが消え、高速域での怖さが若干減りました。
フラットダートレベルでしたら全然走れますし、オンロードメインで乗るなら全然ありです。
欠点があるとすれば見た目くらいですかね。
それ以外のカスタムといえば、納車時にツーリングセロー仕様にしてもらったくらいで、何も手をつけてません。
ちなみにツーリングセローに付いてくるアドベンチャーリアキャリアは作りがよく、凄くがっしりしているの超おすすめです。

最後に
総じて私はセローを買って本当によかったと思っています。
宮城から東京へ引っ越す際には手放すことは全く考えておらず、あの辛かった400㌔超の道のりもなんだかんだでいい思い出で、頼りなく見えるセローが頼もしく感じました。
なので、これからも大事にセローに乗っていきたいと思います。

GWは里帰りと点検を兼ねて宮城へキャンツーしに行き、ブログネタにする予定なので、思い出した時にでもまた当ブログに来てくださると幸いです。